日本経済見通しのメインポイント(政策)
① グローバルな循環的景気回復の局面と高市政権の官民連携の戦略投資による内需拡大で、設備投資サイクルの上昇が牽引役となり企業貯蓄率は低下の動きとなる。2026年の骨太の方針で、新たな投資枠を中心に戦略投資の積極財政への動きが始まる。コアコア物価上昇率(除く生鮮食品・エネルギー)は内需の回復の遅れによる減速の後、2%の物価目標に向かって再拡大する。2027年には、設備投資サイクルの上振れと実質賃金の上昇によって内需が回復する。2028年には、内需の回復が加速し、企業貯蓄率は正常なマイナスに戻り、潜在成長率も上振れ、構造的な経済停滞を完全に脱却する。
図1:日銀とCACIBのGDP、CPI見通し

出所:日銀、クレディ・アグリコル証券
② 日銀には「強い経済成長」と「安定的な物価上昇」のデュアル・マンデートが課され、利上げペースは緩やかなものとなる。低い実質金利の維持が、経済活動を促進する。骨太の方針で経済政策の大きな転換が示され、消費減税もあり、高市政権の戦略投資拡大と高圧経済の方針がより明確化した。 2028年には、企業貯蓄率がマイナスに戻り、実質政策金利は物価目標対比でマイナスを脱する。日本経済の再生の可能性はより高まり、2029年に2.50%のターミナルレートに達する(2.25%から修正)。
図2:日銀の政策金利

③ 高市政権は、衆議院選挙での大勝を背景に、骨太の方針で、経済・財政政策の大転換をした。高市政権では、需給ギャップが十分に大きくなるまで、積極財政と緩和的金融政策、官民連携の戦略投資・需要の拡大によって、「高圧経済」の方針で、経済規模の持続的な拡大にコミットする。企業の国内支出の増加によって、企業貯蓄率が低下を始め、積極財政の動きと合わせ、消滅してしまっているネットの資金需要が再回復し、構造的な経済停滞からの完全脱却に向かう。実質賃金上昇までの家計の負担は、消費減税などの家計支援の財政政策で軽減することになる。
図3:政府の経済政策の方針

④ 地政学上のリスクが高まる中でのグローバルな景気減速の下、金融・財政政策の後押しが不十分で、信用サイクルと設備投資サイクルが腰折れれば、内需の鈍化で企業貯蓄率は上昇し、構造的不況に戻るリスクになる。日銀の拙速な利上げによって、雇用・賃金・消費を含む内需の回復が遅れるリスクが残っている。設備投資サイクルが腰折れてしまえば、グローバルな戦略投資の競争から脱落し、将来の供給能力の棄損によって、円安と金利上昇に歯止めがかからなくなる。円安のコストを、為替介入や経済対策で軽減しながら、設備投資サイクルの押し上げを続けることが重要である。
図4:信用サイクルと失業率



